• 竹村太佑

増税、キャッシュレス、そしてインボイス

最終更新: 2019年11月12日

先月(2019年8月)、尼崎市の武庫元町商店街にてキャッシュレス対応に関するセミナー(尼崎地域産業活性化機構提供)を実施。今回は軽減税率、キャシッシュレス全般についてのご希望から、増税後の「インボイス方式の導入」(2023年10月)についても解説。


1989年4月開始の消費税(3%)導入について、小規模事業者は「死活問題」などとして前年暮れから大反対。どうなることかと見ていたら、みるみるその声は収束。4月に入ると当たり前のように消費税が始まり、酒税が緩和されたのは良かったが、小銭に難儀した覚えがある。

課税の仕組みとしての簡易課税と「納税免除」、要は年間売上高3,000万円(税込)以下の事業者は徴収した消費税(3%)を納付しなくてよい。つまりは売上増。「そりゃ黙る」と思った。


1997年(5%改正)は阪神淡路大震災からの復興時期でもあり、大した記憶も無い。憶えているのはその後の「税込表示」と免税基準(売上額)の変更(3,000万円→1,000万円)。零細事業者のみが免税(5%分利益化)の恩恵で、個人商店以外は「仕方ないか」と納税する側に。


今回の増税、軽減税率がやっかいな業種もあり、食に関係する事業は面倒。レシートの表記も変わるため、レジの入れ替えも「また先送りになるかも」と待っていたところは間に合わない。「仕方ないから当分手書き」などの報道も。

さらに先日からポスター・チラシ配布が始まった還元事業も、登録してないと還元できない。個人商店レベルでは、この時期になっても何をどうしていいのやら。


ここ数カ月てんやわんやの様相ではあるものの、個人商店にとってもっと大きなハードルこの先に待ち構える「インボイス方式の導入」(2023年10月、国税局広報資料)。単純に云えば「免税事業者は消費税を請求できない」こと。

今までは一律に消費税込みで販売し、免税事業者は今回(直近)も消費税(10%分)は納税しなくてよい。しかし、インボイス導入後は販売時(請求時)に消費税を計上出来ない。なので「免税事業者」のままだと、仕入れで消費税は取られ、売上で消費税は取れない。仕入れ消費税分だけでも上乗せしようとしても本体価格で表示するため、単なる上乗せ(値上)として「高い」と思われてしまう。

また経過措置期間中(2021~2023年)にも、消費税は計上できても購入先(事業者)の支払消費税額が段階的に認められなくなるため、消費税分値上げと見なされざるをえない。


どれだけの零細事業者が政府広報でこれを理解できているのか。 大企業はもとより、ほとんどの中小企業には関係の無い話ではありますが。


竹村太佑(経営・情報戦略アドバイザー)

http://prof.kobe-city.jp/

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