- 竹村太佑
税と支援

2019年1月7日から開始された出国税。
500億円を見込む税収は、空港のインフラ(顔認証、Wi-Fi、観光情報提供など)に使用されるのだとか。徴収は航空チケット購入時、キャンセルすれば戻ってくるべきものであるが、航空各社によって手数料が異なるよう。
海外旅行に出かけない人には関係無い話で、Twitterでも論評はあるものの「知らなかった」人が多い。
今年10月から始まる消費税改正と軽減税率。
1989年、3%で開始される時、中小・零細小売、サービス事業者は反発。しかし、始めてみると鎮静化。課税売上高3000万円以下は「納税義務免除」で、零細小売店においては売上増となったためか。3%から5%へ改正の際には免除基準が1000万円となり、ほとんどの事業者が納税義務対象となったが、今更な話で声も出ず。
前回の改正は税率変更のみで、決算年度内で二通りの税率があったが、その先からは単一。今回は「軽減税率」をどう扱うのか、つまりは事務処理するのかで、レジや会計業務が電子化さてたある程度の規模の企業ならば、法令に沿った変更をシステムに対して行うことで、現場のヒトがまごつくことは無いのでしょう。
中小・零細小売、サービス事業者では「いつもニコニコ現金会計」なわけで、クレジットカード未対応、当然電子通貨なんて知らんの世界。経営的観点では、クレジット・電子通貨対応で顧客拡大は期待できるものの、導入コストが問題。
政府は難しい軽減税率を電子化で乗り切ろうと、整備のための補助金を提供。さらにマイナンバーカードまで関連づける一石三鳥を狙うも、それはちと無理があるか。
結果、IT化の進んでいない中小・零細小売、サービス事業者を新たなマーケットとして、決済のための新たな製品・サービスが登場することとなりました。QRコード決済、SNSでの決済など、モバイル決済サービスが登場、いわゆるフィンテックが一挙に進み出した感のあるこの頃。
インターネット普及期、電話回線を使ったISDN、ADSLなどのナローバンド(低速通信)時代、日本は当初世界に遅れてると云われながら、光ファイバーによるブロードバンド(高速通信)へ一挙に突き進んだ経緯がある。
中小・零細小売、サービス事業者にとって、今から何をどうすべきなのかを考えた時、税だ販売だ会計だと企業的、ITシステム的な話の前に、自身が販売者側そして消費者側として、代金支払い・受取りにおいてどのような方法が簡単で楽なのかと考えるべき。QRコード決済が果たして簡単(誰でも使える)なのか、売上の管理はどうすれば楽(効率的)なのか。そして世の中はIT(情報技術)からICT(情報と通信が融合された技術)へ変化し、モノ(生活家電や車)までもがヒトとネットでつながるIoT(モノのインターネット)の時代が来ていることも。
ヒトにとって難しいこと、しんどいことを、簡単にし、楽にする。それが技術(テクノロジ)であって、ICT(Information & Communication Technology)はそのためのもの。
では、どのような技術があり、そしてどのような支援(公的サポート・補助金)を得られるのか。
詳細は1月からの経営革新セミナーでご紹介します。
竹村太佑(経営・情報戦略アドバイザー) http://prof.kobe-city.jp/