• 竹村太佑

ITは「仁」術


「仁」でググってみれば、人気のテレビドラマがヒット。原作は漫画。身近なことながら小難しい医療の話を、漫画で分かりやすくしたことでヒットしたのでしょうか。似たようなところで「もしも高校野球の・・・」で知る経営。 日々高度化する医療。2001年に開設された兵庫県播磨町の「兵庫県立粒子線医療センター」は、イオンビーム(陽子線と炭素イオン線)によるガン治療を行う先端医療機関。ピンポイントでガン細胞を破壊することができ、肝臓・肺・頭頸部・前立腺などのガン治療に高い効果を発揮。治療費も自己負担300万円と高価なものでしたが、今では生命保険(高度先進医療特約)を使うこともできます。 病気になってから必要なのが治療。病気を防ぐため予防医学。そして「医食同源」と、日常の食生活から健康を維持する考え方も。医療は体の機能を修復し、健常な状態に回復するものですが、失った機能を代替する器具を装着(インプラント)したり、皮膚や筋肉を再生したり、様々な細胞を再生する技術にまで到達しようとしています。 その一方で、私たちは医療機関に行かず病気を直してしまうこともあります。擦り傷には絆創膏やヨーチン。うがい薬や風邪薬はコンビニでも買える。胃腸薬に目薬も。看護士ならもっと多くの治療方法を知っています。しかし、医師でしかできない診療もあります。 会社の顔であるパンフレット。より高価なデザイン費を支払って、美麗なパンフレットを作成。いわゆるところの美容整形か。パンフレットをインターネット上に公開するホームページ。当然かけるデザイン費によって、見た目が違う。整形外科担当であるところのデザイナーの手腕。 社内(体内)の機能をより高機能化するために、グループウェアを導入。情報交換(神経伝達)や経費の適正化(血の巡り)を良くすることで、耳鳴り(上司からのカミナリ)や腹痛(仕事のため込み)を無くし、すっきりとした体に。 より早く情報交換するために電話を使い、正しく伝えるためにコピーやFAXを導入。そして電子メールが登場し、今では誰でも使う目薬級の一般的な会社に対する処方。 21世紀に生きる私たちは、医療がひとつの技術とは考えてはいません。目は眼科、歯は歯科、お腹はとりあえず内科。それぞれに必要な処方があります。しかし、手足の痺れが脳から来ている可能性があることも分かっています。 では、これを会社に置き換えたらどうでしょうか。私たちは体をより健康に保つための薬や栄養剤、エッセンス(パソコンやケータイ)などを使用(導入)します。しかしそれは、体(会社)の各機能を向上させはしますが、使用方法を誤れば機能低下(業務が複雑化)、使い方を誤れば命を落とす(業務停止)ことにもなりかねない。さらに医療のように、体内(社内)に関わる専門的な技術(IT)については無知。体はすべての器官(システム)が連動しているため、それぞれに必要な薬や処置(プログラムやハード)であっても飲み合わせ(業務全体の設計)があり、誤ると瀕死の状態になることも。単なる風邪(おかしな動作)と思っても、実のところは新型ウィルス(マルウェア)であったり、素人判断で対応するには危険なこともある。 つまりは専門医(IT専門家)に頼るわけですが、これが残念ながら専門では無い場合があります。医師と違い免許ではなく認定(経済産業省)であり、この認定すら持っていない人が専門家としてまかり通る。よって、肌が荒れてるのは胃腸が原因かもしれないのに、軟膏を塗り続けられることに。 医療は生命に関わる仕事。ITは会社の存続に関わる仕事。いずれも同じぐらい責任ある仕事でありながら、提供する側も利用する側もITについてはかなり軽く見ている場合がある。いや、どちらも乏しい知識であるがゆえ。まさに江戸時代の医学、蘭学の世界のような、中小企業のIT活用。 「ツイッターで集客」とか「フェイスブックで儲かる」などの、素人には分からないが故に登場する特効薬、万能薬のような話。少し前なら「ブログで繁盛」「ホームページで集客」なんてところ。 「医は仁術」と云われるように、「ITは仁術」であるはず。 まさに「巧言令色、鮮矣仁」でしょうか。 では、正しい医療(IT活用)のために、中小企業はどうすればよいのでしょう。 医療でも「ホームドクター制度」があります。その人の医療に関するすべてを管理するマスター的存在。高額な医療費が必要な国では、適正な医療を受けるためのアドバイザーとしての制度。 積み上げれば高額なIT活用。中小企業のIT活用には、ホームドクターとしての専任アドバイザーが必要であるはず。そしてその人は、ITに関する様々な分野と経営について知り得た、エキスパートでなければなりません。 あなたの会社に、ホームドクターはいますか?

竹村太佑(経営・情報戦略アドバイザー) http://prof.kobe-city.jp/

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